僕は整体サロンを経営しながらブログで誰かにとって有益な情報を発信しています。
整体師・治療家をしていると、妊婦さんや産後の方へ施術をする機会が訪れるでしょう。
「妊婦なんですけど、整体受けれますか?」という問い合わせがきたら、あなたは堂々と受けることができますか?
個人的にはそこそこ経験してきた方だと思いますが、実際に出産・育児を経験して考え方が大きく変わりました。
そういった女性を見る時は、身体はもちろん精神面含め様々なことへの理解が大切です。
初心者整体師の方はぜひ見ておいてください。
【初心者整体師必見】妊婦・産後の女性への施術のポイント
昔整体院に雇われていた時、そこの無知な院長から「妊婦はこのツボは流産するから押してはいけない」とか「産後の人は骨盤を調整しろ」などと言われてきました。
しかし、そんなのはただの無知からくる暴論です。
流産するツボなんてないし、「これをやるべき」というものもありません。
※あくまでも個人的な考えです
産前産後の女性を施術する際は、独りよがりにならず、相手をしっかりみることがより重要です。
産前、産後に分けてそれぞれポイントをご紹介します。
- 産前(妊婦)
- 産後
①産前(妊婦)
産前の女性を施術する際の注意事項・ポイントはこちらです。
- 些細な体調の変化に注意
- 理屈よりも、言われた通りにやる
些細な体調の変化に注意
妊婦の方は日によって体調の変化が激しいです。
そういったところを理解し、気遣うことはとても大切です。
妊婦への施術で特に気を付けなくてはならないのは「その時の体調をしっかり把握する」ということです。
いつもは触ってて心地の良い場所が、日によっては不快に感じることがあります。
また、施術中にだんだん気分が悪くなってくることもあり、マメに体調を伺う必要があります。
施術姿勢もうつ伏せがダメなのは想像できると思いますが、仰向けでも苦しいし、横向きでもツラい場合があります。
日によって楽な姿勢が違うので、そのあたりもしっかり配慮する必要があります。
ツラい状態や不快な状態ではどんな施術をしても効果はでにくいと思うので、マメに体調を伺うことが大切です。
理屈よりも、言われた通りにやる
ここが痛い場合は解剖学的にここがこうなってるから・・・と、理屈で難しく考えてしまいがちな人も多いと思います。
しかし、「ここを押して」と言われた通りにそこ押すことが一番効果的な場合が多々あります。
精神的にも身体的にもとても不安定なので、ツラい場所を触って安心感を与えましょう。
妻の場合は、「ここをサスッて」と言われたからそこをサスると症状が軽くなったことが何度もありました。
運動連鎖や筋膜のつながり、ツボなどを意識して遠隔的な施術をして改善することもあるかと思いますが、言われた通りにやってあげた方が良い場合もあります。
まずは「ここ」と言われたところを触ってあげることが最も効果的でした。
同じように患者さんに施術する場合も、「ここがツラい」と言われた場所をまずは触ってあげることから始めると良いかもしれません。
気になるところを触ってもらえた安心感が施術効果を高めるでしょう。
妊婦さんを相手にするとビクビクしてしまいがちですが、「もっと強く押してほしい」と言われたら相手が心地よく思うくらいなら強く押しても大丈夫です。(常識の範囲内で)
「何をするか」よりも「何をしてほしいのか」ということを理解してあげましょう。
②産後
産後の女性をみる際の注意事項・ポイントはこちらです。
- 筋力低下が顕著
- 不規則な生活習慣
筋力低下が顕著
産後と聞くと「骨盤の歪み」を想像する人が多いと思いますが、それはただのビジネス的な洗脳です。
個人的に最も意識しなければならないと思うのは「筋力の低下」です。
妊娠中、個人差はありますが数ヶ月間は安静にした生活を続け、出産後もしばらくは家の中で育児中心の生活になります。
当然筋力の低下があり、それが原因の不調が出てきます。
特に腹筋の筋力低下は顕著です。
以前は腹筋が割れていた妻も、出産後はフニャフニャで、お腹に力が入りません。
すると体幹が安定せず腰痛など不調が出てくるのは容易に想像できると思います。
実際、出産後に初めて坐骨神経痛の症状が出ていました。
「出産後に骨盤が歪む」と言われるのは、筋力が低下した状態で育児の重労働をこなした事で、筋力や筋肉の疲労度が左右不均等になり体のバランスが崩れるというのが大きな要因になっているでしょう。
当然、個人差が大きくマニュアル通りの施術に収まるようなものではありません。
「出産しました=骨盤を調整しましょう」と盲目的に骨盤調整をするのはやめましょう。
不規則な生活習慣
育児は本当に本当に大変です。
生活習慣が乱れて当たり前、ストレスが蓄積して当たり前なのを念頭に入れておくことが大切です。
夜中はひどい時は1時間寝て、1時間かけてゆっくりミルクを飲んでまた1時間寝ての延々の繰り返しの日があります。
昼間はそれプラス家事をしなければなりませんからね。
睡眠時間や食事の時間が不規則になるのは当たり前で、精神的・肉体的なストレスが大きいのは当たり前です。
そういったことの理解もとても大切です。
睡眠状況や顔色を確認したり、愚痴や悩みを聞いてあげることもストレス発散につながるためおすすめです。
【初心者整体師必見】妊婦・産後の女性への施術のポイント【まとめ】
産前のポイント
- 些細な体調の変化に注意
- 理屈よりも、言われた通りにやる
産後のポイント
- 筋力低下が顕著
- 不規則な生活習慣
「何をするか」よりも「何してほしいか・何をしてほしくないのか」ということを理解しましょう。
産前、産後の女性を担当することがありましたら、身体だけをみるのではなく内面や環境も含め広く捉えてみてください。